コラム 「MD5500のページ合成」

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ALPS MD-5500プリンター

アルプス電気のMD-5500は熱転写式のプリンターで「ページ合成」設定により単色ごとを重ねて印刷でき、色と色の境目がはっきりした綺麗な印刷が可能で、私はこの仕事を始める前から趣味で愛用しています。
紙の上ではインクジェットプリンターのほうが綺麗な印刷が出来ると思いますが、ロゴ作成などにインクジェットプリンターで印刷した物を使用した場合はインクが透けてしまうため、下地に白を用意しなくてはならない等の問題があります。このため下地の「ホワイト」が印刷可能なMDプリンターは今でも活躍している貴重なプリンターです。
ただ、残念なことに2010年5月に販売は終了してしまいました。



ページ合成

インクジェットプリンターのような一度で印刷を行う使い方も可能ですが、このプリンターの場合は淡色・中間色等をそのままプリントするとシアン、マゼンタおよびイエロー等の基本色が細かいストライプ状に印刷されます。離れて見る分にはそれらがブレンドされて指定した色となって見えるので良いのですが、近付いて見た時にはストライプ状の模様が目立ってしまいます。
けいしんのぺーじ」では各色を重ねて異なる色を作る方法はもちろん、デカール作成に関しての手法が詳しく解説されています。このプリンターを購入した当初、ページ合成について勉強させていただきました。そして現在ロゴ作成で使用している方法はこちらで紹介しているものが基本となっています。
このコラムでは主にページ合成にポイントを絞っての記述ですので、詳しくはけいしんさんのページをご覧ください。



グレー表現

MD-5500プリンターでグレー印刷を行う場合、黒の上に特色ホワイトを重ねることによりグレーの色を出すことはMDユーザ間で知られていますが、そのまま重ね印刷を行うと所々ホワイトが剥がれてしまい、残念ながら綺麗に印刷することが出来ません。また、特色ホワイトを印刷する前に光沢仕上げを入れると剥がれにくくはなりますが、完全に剥がれずに仕上がる事も出来ませんでした。
色々と試行錯誤した結果、以下の方法で剥がれず安定してグレーが作れましたので興味のあるユーザーの方はお試しください。

プリンター印刷の「プロパティ」/基本設定で「用紙の種類」を「厚紙」に設定。
あとはいつものように特色印刷と「用紙」のページ合成で一色ずつ重ねていきます。印刷順は「紙用ブラック」-「アンダーコート(MFインク)」-「仕上げ(光沢インク)」-「アンダーコート(MFインク)」-「紙用特色ホワイト」です。
当初MFインクの特徴が良く分からずに色々と苦労しましたが、普通紙や厚紙などで印刷の場合は印刷対象つまり黒で印刷する部分のみMFインクが乗るようです。続いてMFインクを使用しているとインクリボンが切れてしまうことがありました。この場合は用紙設定を厚紙に設定すると(おそらくヘッドの温度が若干上がるためか)、インクリボン切れが起きなくなりました。

ブラックのほか、基本色などのカラーも同様にサンプルとして作りました。特色のブルー、レッドおよびグリーンはOKI(沖電気)のインクにシアン、マゼンタおよびイエローのバーコードをそれぞれに貼って使用しています。
グレーサンプル
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各色毎に重ねて印刷したカラーサンプル

こちらもロゴ作成の作業には欠かせないカラーサンプルですが、次の色を印刷する前に光沢を入れても画像のように所々剥がれがありました。
カラー合成1
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そこで、剥がれの発生した場所に上記グレー表現と同じ設定・印刷順で印刷すると綺麗にプリントすることができました。
カラー合成2
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ぎんした

ずいぶん前にフレームビルダーの方と世間話をしていた時だったと思います。話題はロゴマークとなり、現在それに使用している下地の色は白がポピュラーになりましたが、昔の白は隠ぺい力が無かったために下地が白でなく銀だったと伺いました。
同じようにMDプリンターで使用しているホワイトも隠蔽性は高くはありません。(そのお陰でグレーにバリエーションが生まれた訳ですが…)
そのためロゴを印刷して実際に貼ってみると下地が透けてしまい、思った仕上がりにならなかった経験がありました。

そこで、メタリックシルバーを下地に使用して上記グレー表現と同じ設定・印刷順で印刷すると、ホワイトはもちろん他の色も剥がれずに印刷が可能ですので、ホワイトの回数を加減しながら下地に銀色を使用する「銀下(ぎんした)」の選択肢もあるかと思います。
下の画像はメタリックシルバーを印刷後、左からホワイトは1回、シアン、マゼンタおよびイエローを2回印刷したものです。ホワイト以外は若干ムラが出てしまいましたが、ホワイトを重ねる回数とその上に別の色を重ねる事で色の選択肢も少し増えそうです。
シルバーサンプル
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銀下の応用

実際にロゴを再現しているとMDプリンターでは出ない色もあります。そのような時は代替色を提案するかプリントアウトを諦めて調色エアブラシとなりますが、下の画像は赤の再現中に何とかMDプリンターで出来ないか試行錯誤したときのものです。
画像左下のゴールドで囲われている部分の赤は特色ホワイト2回の後、マゼンタと特色レッドを重ねて同色となりました。しかし筆記体に使われている赤は微妙に暗いトーンのために少し苦労しました。1番は通常の赤でこの色からスタートしました。とりあえず2番で落ち着いたのですが、これは銀下の応用でメタリックゴールドの後シアン60%のVDフォトカラーを重ねてその上から特色レッドを1回印刷したものです。レッドが上に掛かっているためVD時のストライプはそれほど目立たないようですのでフレームに使用するロゴとしては許容範囲かと思われます。
ロゴ色





印刷したインクを消す

ロゴを作成していると、印刷途中でデカール用紙を排出してしまったり、色が思うように再現出来なかった等で印刷済み用紙が溜まっていってしまうことが多いのですが、そのような時は染み抜き用ベンジンをティシュに含ませて拭くと綺麗にインクを取り去ることが出来ます。
拭いた後も短時間で揮発しますので、すぐに印刷可能です(ただし引火性の高いものですのでベンジンを取り扱う際はご注意ください)。ドラッグストアなどで比較的安い価格で販売されていますのでお試しください。




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